方針発表２

研究を始めるにあたって、背景を理解し、必要なデータと作業を具体的にするための発表。
問題点を絞り込んで戦略を練り、「これこれをやればこんなことが分かる」
というところまで持って行くのが理想です。特に４年生は時間が少ないので「なおさら」ですが、
なかなかそううまくはいきませんねぇ。指導教員の力が問われるところ。

先日、H君の発表がありました。

三波川帯のカンラン岩を対象として、沈み込み帯における地球化学的特徴の変遷を
起源も含めてみてやろう、というテーマを掲げて、地域地質、岩石学、構造、
いろんな側面から、研究背景を紹介してもらいました。

複雑な履歴をたどっている岩石を相手にして研究の焦点を絞るためには、
やはり、複雑さの中味を理解する必要があります。
そして、議論のためには、聴衆の方々にも理解していただきたい。
これまで自分が研究してきた対象なので馴染んでしまっていたのですが、
初めて発表する４年生には少し荷が重かったかもしれません。
しかし、次へつながるコメントをもらえたのは、稚拙ながらも情報を提示し狙いを話したからこそ。
発表は成功だったのかなと思います。

上のテーマを完結させるには修士までかかりそう、とのコメントもあり、まあ、そうかな、と。
そういう意味では、修士の方針発表になりうるような内容をもとめてしまった感もありますが、
ここで頑張った分、あとで楽ができると思って、ご容赦くださいな。H君。

「あのロカリティに集中して、徹底的にやりましょう」

これが言えれば大丈夫。さあ、研究を始めよう。