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石ってすごいね

ある地球科学者のひとりごと。なぞかけ、なぞときの日々。

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ぬるぬる

先日、北陸もようやく梅雨入り宣言がでました。

この季節になると、学生実験の担当が始まります。
2年生野外調査法。野外に出る前に、室内で鉱物と岩石を観察して目慣らしをします。

まずは、私の貧弱な鉱物コレクション、誕生石、造岩鉱物、光る鉱物。
それぞれを、それぞれの味わい方で楽しんでもらっています。

今年新たに追加した鉱物の一つに滑石(タルク)があります。
そのぬめっとした光沢、ぬるぬるした手触りが人気です。
質問しながら、ずーっとなでている学生さんもいました。

岩石コレクションは、代々引き継がれている立派な物があります。
各大学の研究スタイルに個性があるように、実習用の標本にも金沢らしい個性があります。
まず、火山岩が多い。これは火山学のグループであった歴史と北陸の地質を反映しています。
みなさんご想像の通り、マントルピースは立派な物が並んでいます。
そして、かんらん岩に寄り添うように蛇紋岩が4つ。

この蛇紋岩にも毎年人気が集まります。
クリソタイルの繊維状結晶が織りなすぬめぬめした表面。
なめらかな曲面。ほどよい重さ。そして、漆黒の存在感。
手に取りたくなるのでしょうか。

このぬるぬる感、すべり具合が沈み込み帯の現象を理解する上で本質的に重要かもしれません。
素直な学生さん達は、その物性の特異さを直観的に感じ取るのでしょう。
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はつゆめ

新年に浮かんだあるフレーズに、ココロとらわれています。

「100年かかる世代を越えた実験」

地球の営みは非常にゆっくりとしています。
私たち地球科学者は、ゆっくりと進む現象を定量的に理解する必要があります。

時間をかけないと、このグラフのここにプロットは打てないよなあ。
だけど、人類のために、科学者はここに点を打たないといけない!
そんなテーマ、見つけられそうな気がします。

100年後に開封して結果を見なければ真実は解らない。
そんな実験を遂行するためには、どんな準備が必要か?

装置の材料、装置の制御、データの記録、そして解釈。
物質、技術だけでなく、人材が重要なことはすぐに分かります。
孫の世代へとデータを引き継ぐ、そんなグループを維持するために
まずはモチベーションの形成が必要ですね。

思えば、私たちの受けてきた教育は、そういった理念に基づいて
用意されたものであった気がします。今では、人を点数化することが
目的の半分以上を占めるようになってしまいましたが。

爆弾が落ちてきて実験をおじゃんにしてしまうようなことがあってはいけません。
この実験のためには安定した社会を求めていく必要があります。

人類が開封を心待ちにするようなタイムカプセル。
みんなで一緒に考えませんか?
この100年を無駄に過ごしてはいけません。
いますぐ動きだしましょう!

石を見て石を見ず

自然、つまり地球を知るには、自然の中に入るのが一番良い。

そう思っています。

実験室の中にいても、大きな自然の中にいる感覚があるとアイデアが違ってくるでしょう。
BGIの高圧実験室では1面の大きな窓からキャンパスの木々が見えます。
田舎町にあるBGIで世界に先んずる研究成果が次々と出てくるのは、
そんなところにも理由があるのだろうと思います。

自然の中に問いがあり、答えがある。

私はそう思って、野外へ出かけていきます。
そして、地球深部の現象を知るために石を見る。

近頃は、
石の中を通過していった、水や二酸化炭素やメタンや水素や酸素などの
「流体」と呼ばれる物質の痕跡を見つけようとしています。
今はいなくなった流体がどのように石の隙間を駆け巡っていたのか。
ここは流体が石を押し広げた場所ではないか。

そうすると、石を見ているようで石を見ていないことに気づきます。
顕微鏡を覗いて、鉱物を見ているんだけど、意識の焦点はそこにはない。
そんな感じです。

見えないものを捉えるのはなかなか難しいのですが、
自然の中で事実を確認する重要性を考えると、
努力と工夫をする価値は十分にあると思います。

いつか統合的なイメージを提示したい、と思いながら
日々、見えないものを観る努力をしています。

ウワサはコワイ

ひとの口に戸は立てられず。

人の世は伝言ゲーム。

同じ言葉も、思いが違えば響きも違う。

3次情報にもなると驚くほど意味合いが変わってきます。

自分の言った言葉が2人を経由して自分に戻ってくる

ということがありました。

どこで変遷したかはわかりませんが、

なんでそうなるの?

という感じ。

とは言え、もとは自分?

悪意がないことが悪意になることもあります。

みなさま慎重に。

質問が仕事?

モンペリエのパブで出会った女性がおもしろいことを言っていました。

私を指導してくれた先生は、いつも質問ばかりしていた。
海外での研究プロジェクトを企画して、その結果をもとに本書いたりと
活動的でおもしろい人だけど、いつも質問、質問、質問だった。

大学の先生ってそれでいいのかもね、と答えておきました。

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