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石ってすごいね

ある地球科学者のひとりごと。なぞかけ、なぞときの日々。

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愛媛大GRCセミナーにて講演

愛媛大学理学部

先日、愛媛大学地球深部ダイナミクス研究センター(GRC)のセミナーに招待されて日本産の天然ダイヤモンドのお話をしました。愛媛はダイヤモンドの産地であり、松山は私の故郷でもあります。


講演後の「謎は深まるばかりですね」という入船先生のコメントがすべて(そんな発表でよかったのでしょうか)。やはり、形を見たいですね。

講演要旨を下に掲載します。。。。

第199回ジオダイナミクスセミナー(2008.2.21.)
「日本産天然ダイヤモンドの成因解明に向けて」

 愛媛県四国中央市に露出する玄武岩質岩脈中のマントル捕獲岩に日本で初めて天然ダイヤモンドが見つかった。顕微ラマン分光によって、単斜輝石中の二酸化炭素の流体包有物の内部に、炭酸塩鉱物(ドロマイト)に隣接して存在する1ミクロン程度の微粒子が検知された。これらの流体・鉱物相が共存していたと考えると、ダイヤモンドと母岩の起源圧力は5.5 GPa(深さ約160 km相当)以上と推定される。

 このような深部のマントルが、前弧に到達するプロセスとはどのようなものか、ダイヤモンドが成長した環境はどういったものか、といった多くの疑問が浮かぶ。しかし、現時点では産例が少なく情報が限られている。セミナーでは、このダイヤモンドの産状を紹介し、テクトニック履歴やダイヤモンド形成反応に関して推察的な議論を進める。これらが成因解明へ向けての土台となることを願う。


会場には、先生から学生さんまで多くの方々が集まってくださいました。ナノメートルスケールの観察へ向けて有意義な議論ができました。お魚も美味しかった。温かく迎えてくださったGRCのみなさまに感謝です。

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有機物から炭質物へ

最近、泥質岩の中の炭質物が気になっています。

泥などの堆積物が地中深くに運ばれて熱せられると、
そこに含まれている植物などの有機物の欠片が変質していきます。
その生成物は、化学組成や結晶構造など様々ですが、
主に炭素からなるので、総称して炭質物といいます。

温度が上昇すると共に、有機物に含まれていた
水素や酸素や硫黄分が抜けていき、やがてほとんど炭素からなる
炭質物になります。そして、結晶構造がどんどんと整然としたものに
変化していき、炭素が面状に配列したシートが積み重なった
石墨(グラファイト)という物質になります。
このプロセスは石墨化とも呼ばれます。

この変質の度合い(結晶構造の変化)と温度の関係を正確に調べてやると
炭質物を含む泥質岩が経験した温度を知る指標とすることができます。
これを地質温度計といいます。私はいま、共同研究者と共に、
結晶構造に関する新しい指標を用いた炭質物地質温度計の作成に
取り組んでいます。

植物の繊維を作る分子構造から化学成分が抜けて炭素が残り、
さらに炭素原子の作る配列がどんどんと広がって結晶質になっていく。
その変化をできるだけ広い温度範囲で連続的にとらえるためには
どうすればよいか。オングストロームスケールの原子配置の変化が
私達の分析ではどのように見えているのか。
微小な世界に想像力を注いで考えていますが、どこまで入りきれるか。

地球科学の成果

特に明確な根拠はありませんが、
地球科学というのは華々しい賞とはあまり縁のない分野
なんだろうなあ、という印象を持っています。

でも、たぶん、そうではなくて、私の想像力が足りないだけで、
地球の仕組みを理解することによって、人間の社会にとって
とても役立つことが生まれてくる可能性も、あるに違いありません。

私自身は「廃棄物は出さないに越したことはない」とは思いますが、
例えば、海洋底への埋没処理が完全に安全であると確認されて、
実用化されたとしたら、プレート運動を発見した地球科学者は
ノーベル賞に値するのではないか、という議論になりませんでしょうか。

しかし、地球の営みは、人の営みに比べると、とてもゆっくりと進みます。
もし「ノーベル賞に値する」と評価される時が来たとしても、
受賞すべき人がこの世におられない可能性が強いですね。

もしかしたら、そうなる前に、まじめな地球科学者が
「何百万年後には地表に戻ってくる可能性がある」なんて
主張して、論争になるかもしれませんが。

こういった形で日の目を見なかった地球科学の発見が、過去にあるはず。
社会貢献という視点で地球科学史を見つめてみるのも面白いかもしれません。
そして、将来どう役に立つだろう、と想像しながら、地球のなぞときに
いそしむのも、あながち無意味ではないような気がします。

伝えたい人

様々な苦難を越えて
研究成果が論文として雑誌に掲載される受理報告が届いた日。
その喜びのとき、真っ先に頭に思い浮かぶ顔があります。

調査の宿(と時折のお酒)を提供してくれる山小屋のご主人。
全くの他人である私の研究の成功を心から祈ってくれる肝っ玉母さん。
新しい知見への探求に目を輝かせてサポートしてくれるフィールドガイドさん。
石の話に身を乗り出して耳を傾けてくれる宿屋のご主人。

あのときの調査の結果がこんな風に認められましたよ。
そうやって伝えられることがうれしくって、にやにやしてしまうのです。
小難しい研究の話なんてみなさん聞きたくはないかもしれませんが・・・。

これが私の小さなモチベーション。
たぶん一番確かなモチベーション。

センター試験のある週末

この週末はセンター試験が行なわれるとのこと。
今週、先生方が忙しげにされていた理由が分かりました。
いつもは週末を利用できるのに、今日までにお仕事を終えないと
いけないのですから。

受験生方には関係のないことですね。
みなさま存分に力を発揮されますように。

この時期に忙しげにしているのは先生方だけではありません。
論文提出を控えた修士、学部学生の方々にも緊張感がみなぎっています。
これまで試行錯誤の中で進めてきた研究を、すっきりと人に納得できる形に
まとめなければなりません。意味のあること、ないこと、論理の筋道を
何度も見返し、組み直していく。。。最も創造的な時期かもしれません。

この空気が私は大好きです。
楽しく刺激的な研究発表を期待しつつ、彼らの勢いに乗って、
滞っている仕事を進めていきたいと思います。

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