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石ってすごいね

ある地球科学者のひとりごと。なぞかけ、なぞときの日々。

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2008年をふり返って

細かな雪が静かに降り続く中、角間の里の日が暮れていきます。
今日は仕事納めの日。少し息をついて、この1年を振り返っています。

1年前。
ジェット気流に運ばれるように慌しく動いた2007年の暮れ。
その慣性を感じつつ、次の風を静かに待っていました。
どこに行くのか全く分からないまま、このブログを始めたのも
この頃でした。

そして春、金沢へ来ました。新しい環境です。
いま思うのは、何一つ不自由なく過ごしてきたな、ということ。
これはひとえに、コースのスタッフ、学生さん、家族、友人、
ご縁のある、ありとあらゆる方々のおかげです。

その恩恵に報いるためにも、しっかりとやるべきことをなさねばなりません。
春から今まで、状況を見て、理解し、対応はできず、反省するだけで過ぎてきましたが、
ようやく、気持ちが根付きつつある実感が持てるようになってきました。
私に何ができるか、まだ判然としませんが、立ち上がるための足場は、確かに感じるのです。

来年度は、卒論生が配属され、研究室としての形がよりはっきりとします。
しっかりと責任を持って、一瞬一瞬を大切にして、行動していきたいと思います。
来年は今年よりも「先生」らしくなれるように。そして、より研究者らしくなれるように。

みなさま、あたたかくお見守りください。
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原体験

少し前のこと。授業の調べ物からわき道にそれて、
火山岩深成岩コンプレックスの例を検索したところ、
一覧の中に郷土の山の名前がでてきました。

それは、1983年の日本地質学会の講演要旨でした。
「○○山円形岩体:火山と火山岩」という、シンプルなタイトル。
その代表発表者は県外の中学校の先生のようでした。

二番目の方の所属を見ると、こちらは小学校。
ん?・・・! 私の母校ではありませんか。
なんと、私の恩師の研究成果の発表だったのです。


1983年といえば、ちょうど私たちのクラス担任をされていた頃。
絵の楽しみ方、スポーツの合理性、誠実であること、
いろんなことを教わりました。

 「石を磨いていくと光が通るくらいに薄くすることができる。
  石の中を顕微鏡で見ることができるんだよ。」

ホームルームのときの先生のお話に、強く興味を持ったのを憶えています。

 「いつか、そんな凄いもの(※)を作ってみたい。」


25年の時を経て、先生の研究成果に出会うことになるとは。
あんな険しい山をフィールドにされていたのですね。
計らずも、今、私も同じようなことをしております。
これからも、たくさん薄片を作ることになりそうです。

(※)これを「岩石薄片」と呼ぶことを知ったのは、大学3年生になってからのことです。


陸が開いて海ができるとき

今から数千万年前の、新第三紀と呼ばれる地質時代のこと。
日本がアジア大陸から離れ、その間の低地に海が入ってきました。
北陸地域の地質には、日本海の形成に伴う様々な現象の痕跡が刻まれています。

中でも目を引くのが、玄武岩、安山岩、デイサイト、流紋岩といった火山岩類。
幅広い組成のマグマが噴出し、流れ、飛散し、また貫入している様子が
広く観察できます。

どうも時期によって、火山活動の特徴が変化してきたようです。
地殻が引き伸ばされて薄くなり、時には分断され、新しい地殻が隙間を埋める。
そんな変動の過程において、マグマ活動が変化していくのでしょう。

そして同時期の火山岩の中にも、組成の異なるものが入り混じっています。
「熱い」地中で様々な岩石が溶け、また互いに混ざり、組成を変化させ、
いろんなタイプの火山活動が起こったのでしょう。

フィールドの石の産状や地域的な関係性を見ながら、
また、岩石の化学組成や、構成鉱物の特徴を見ながら、
ダイナミックな地殻の動きと地球内部の現象を語ることができたら、
どんなに楽しいでしょう。

小雨決行

11月半ばにゴロゴロバラバラとあられが降り、
冬を迎えつつある金沢。空模様が気になります。

金曜日は2年生と共に野外へ石を見に行く実習の日です。
ただでさえ寒い11月末。せめて天気には恵まれますように。
準備をしながら気が気ではありません。

迎えた朝。残念ながら予報通りの細かな雨。
でも幸いなことに温かい雨でしたので、
予定通りに金沢近郊の火山岩を見学してきました。

黒い玄武岩、赤や青の安山岩、淡い紅色の流紋岩。
いつもより色鮮やかです。真珠岩の中の縞々がよく見えました。
岩が雨で濡れると、表面の散乱が押さえられて、
石そのものの色がよく見えるようになるのです。

perlite

2年生たち、寒い中根気よく観察してくれました。
来週は宝達山。能登最高峰の637m。
好天に恵まれるよう祈りましょう。

稜線を独り占め

何の因果か、私の研究対象とする石は
山の上によい露出が見られることが多いのです。

沢伝いの登山道を3時間歩いて稜線近くに出ます。
さらに尾根伝いに、西へ進むこと1時間。
頂上の脇にササヤブに被われた道の入り口が。
今回の調査はここからです。

ヤブの下には、かつて踏み固められた一筋の土の線。
小木の枝にわずかに残るテープを頼みに進みます。

目指すはその先にある兜のような岩場。
ここに最後に人が立ったのは、いつのことでしょう?

Akaishi

良い眺めです。

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