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石ってすごいね

ある地球科学者のひとりごと。なぞかけ、なぞときの日々。

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FIB

リヨン大学 Ecole Normale Supérieure de Lyonの
Bruno Reynardさんのところにおじゃましています。

いろいろと装置を見せていただいて、それぞれ印象的だったのですが、
FIB-SEM systemには衝撃を受けました。FIBはFocused Ion Beamの略。
顕微鏡などの観察で見定めた面白いところを、透過顕微鏡観察するために、
数100nmくらいの厚さの板を切り出す、という作業ができる装置です。
この薄さもおどろきですが、OK、そこまでは想像できる範囲です。

リヨン大では新しいFIB技術の開発も進められています。
FIBで加工に使うのはGaイオンです。試料にGaイオンをぶつけて
削っていくんですね。電子線のように狙った位置に照射できるので、
試料表面を薄皮一枚はがすことができます。3nmステップではがす
ことができるんだそうです。はがしては表面をSEMのオプションで
分析、はがしては分析、そうやって得た像を3D加工すると立体像が
出来上がります。

リヨン大の装置にはEDS、EBSD、BSEがついているので、
化学組成や結晶方位、穴の3次元像が、3nmの解像度で得ることが
できます。結晶の中に入っている1ミクロンくらいの不純物の形を
精巧に描き出すことができるのです。まるで結晶標本を見ているようです。
しかも結晶方位が分かるので面を決めることもできます。

ちょうど見学させていただいたときにPhDの学生さんが分析をしていました。
EBSDとFIBを組み合わせて何ができるか、が研究テーマなのだそうです。
こういったテーマをみんなが認めてサポートするからこそ技術が進歩する
のだろうと思います。

この装置の制御プログラムまで書いてしまうという、
Bertrand Van de Moorteleさん。こういう人が身近にいてくれたら。

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Easter Monday

4月8日はキリスト教の復活祭の日でした。
月曜日はEaster Mondayといって振替休日になります。
みな宗教行事に参加するかと思いきや、
この連休を利用してバカンスに出かけるようです。
これから五月にかけてお休みが続きます。
春を楽しむのは日本と同じですね。

日本は新学期が始まったところ、
みなさん公私に忙しくされているところだと思います。
私も書類書きやプレゼンテーション作りをして過ごしています。

Easterのお楽しみで、ウサギや卵のチョコを隠して
子供たちが探しまわるという風習があります。
いろんないのちが豊かに育つように、と願う行事なんですね。

金のウサギ、中はチョコです。




質問が仕事?

モンペリエのパブで出会った女性がおもしろいことを言っていました。

私を指導してくれた先生は、いつも質問ばかりしていた。
海外での研究プロジェクトを企画して、その結果をもとに本書いたりと
活動的でおもしろい人だけど、いつも質問、質問、質問だった。

大学の先生ってそれでいいのかもね、と答えておきました。

鉱物はどうやって並ぶ?

フランスへ来て1カ月も経つのに何のためにこちらへ来ているかを書いていませんでした。

この2ヵ月の滞在は金沢大学地球学コースの荒井教授を代表者とした若手派遣プロジェクト、
「海洋地殻―マントルの構成と発達過程の解明:モホールへの備え」にサポートしていただいています。

海洋プレートを理解しよう、というとき様々な見方ができます。
岩石の種類、化学組成、マグマプロセス、水と岩石の反応。。。
そして、「変形構造」という視点で、海洋プレートとその下のアセノスフェアとの関係も含めて
考えよう、というのが私の立場です。

マントルの主成分であり、かんらん石が作る「変形構造」が最も注目されるところです。
地震波で観測される弾性的な構造や流動特性に最も影響を及ぼすからです。

鉱物であるかんらん石の並び方は温度や水、メルトの存在によって変化することが
分かってきています。しかし、そのパターンにはいろいろとあり、メカニズムは十分に
説明されていません。最近の実験から、マントルの変形ではあまり考慮されてこなかった
メカニズムの重要性が指摘されています。

ざっというと、流体が存在するときにかんらん石結晶がどう振る舞うか、が問題です。
例えば、メルトがあると考えられているアセノスフェアではどのように結晶が配列するか。
沈み込み境界の水の存在するところでは、どのような構造が発達するか。そして、その
変形のメカニズムと流動則はどのようなものか。そういった問題に取り組もう、というのが
今回の目的です。

私がお邪魔しているモンペリエ大テクトノフィジクスグループは、結晶方位解析の専門家が
集まっています。EBSDシステムを世界に先駆けて立ち上げ、鉱物の配列と地震波速度を
リンクさせる研究スタイルの礎を作ったDavid Mainpriceさん、メルトの存在下で変形した
岩石ならこの人、というAndrea Tommasiさん、大陸リソスフェアの構造解析で数多くの
成果を出しているAlain Vauchezさん、そして、ユニバーサルステージを駆使して、
オフィオライトの結晶方位解析を多数報告したFranciose Boudierさんも健在です。
オフィオライトと言えば最初に名前が浮かぶAdorphe Nicolasさんはまだまだ著書を増やして
おられます。モホール計画で日本ともなじみの深いBenoit Ildefonseさんは構造解析と地球
化学を組み合わせた研究スタイルです。

何度もNatureに論文を出されている、私からすると恐れ多い方々のそばで、
FE-SEM-EBSDシステムをスケジュールの半分くらい使わせていただくという、
贅沢をさせていただいています。タイミングを見計らって薄片やデータを見て、
議論もしてもらっています。

この機会を日仏双方にとって有意義なものにするためにも、慎重にデータを吟味し、
石の中に隠れた情報を引き出していきたいと思っています。その見通しが立つまでは
なかなか観光気分になれない、というのが正直なところです。

モンペリエという街そのものが観光地なのですが。

新年度は身軽

PSG研究室、2012年度のメンバーは修士2年生2人と学部4年生1人と私の4人です。
メンバーのページ更新できていなくて申し訳ありません。金沢へ帰ったら置き換えます。

人数も多少少なくなったので、キーワードは「軽く」で行きましょう。
就活やら、修士論文やら、卒業論文やら、海外出張やらいろいろありますが、
フットワークも軽く、心も軽く、一年過ごしましょう。

<訂正 by 水上>
メンバー紹介、置き換えてありましたね。
左のリンク蘭からは2011年度のメンバーページへつながります。

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