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石ってすごいね

ある地球科学者のひとりごと。なぞかけ、なぞときの日々。

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クリーニング

EBSDのマップ分析をすると、大量のデータが得られます。
たとえば一晩の分析で、823284点の相、結晶方位データが集まります。
八十万点です。

しかし、マップは組織を完全に表現できているかというとそうでもありません。
組織解析のためには、エラーを取り除く作業が必要です。
それをクリーニングと呼んでいます。

斜方晶系のかんらん石の場合、a軸の周りに60度回転のmis-indexingが起こります。
これを自動的に修正処理するコマンドがあります。この修正も完全ではなく、
コンピュータの目を逃れたエラーピクセルが残ります。

かんらん石の粒を認識する際には、コンピュータ上で無視できるのですが、
ピクセル情報としては残っています。結晶方位の回転軸の解析をする時に
この60度という数字がものすごい強いピークになって出てきます。

80万点の中からエラーピクセルを一つ一つ取り除いていく。。。
この修正操作を行なうソフトの反応がものすごく遅い。
20回くらいクリックして、結果が表れるまで2-3分待つ、という感じです。

どこまでやるか。精神的な戦いでもあります。
ピクセル間の方位解析プログラムで無視するよう設定できないかな。

マップによって頻度が違うところを見ると、
この種のmis-indexingは、組織や分析条件と関係があるようです。
いい状態で分析するという基本が重要です。

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まだ日曜日です。

Leffeというベルギーのビールがうまい。

ワイン飲んで車を運転できる国の人たちと同じことはできないと分かっていても
ついついつられて飲んでしまいます。


▼ その後

人が人を選ぶ

日本でもニュースになっていると思いますが、今週の日曜日は大統領選挙でした。
ずいぶん前から候補者の人気の動向が報道されていましたが、気づくとその日が。

フランスの選挙は、個人が大統領候補者へ投票します。
こちらにいると、個の個としての振る舞いが重視されていることが分かります。
大学にも各キャンパスに人の名前が付いていたりします。

そしてフランスの民主主義の特徴は、右か左かどちら?、という形で立場を
はっきりさせるところだと思います。とはいえ、極右から極左まで幅広いようです。
1回目の投票で過半数の票を得た候補者がいなかった場合、上位2名による
第2選挙が行われます。どうなりますか。

おおむね保守的だと言われるフランス。極右の候補者が2名に残ったときには
左寄りの人も保守派の候補に投票したとか。今回は右寄りの前職サルコジ大統領の
評判がよくないようで、ドラマチックな展開が予想されます。

*********

私はお休みを利用して、ニームへ足を伸ばしました。
モンペリエから電車で約30分。ローマ時代の遺跡が数多く残る古い街です。

市庁舎には国旗がたなびいています。午後のせいか、人の出入りはまばら。
10名の候補者がいるはずですが、ポスターの数が足りないような・・・。


Université Claude Bernard Lyon 1

リヨンの北側に理系の集まるキャンパスがあります。
大部分がサイエンスなのだそうです。ここにも地球科学のスタッフが集まっています。

余談ですが、リヨン高等師範学校は、非常に高水準の入試があり、
学費はすべて国が払ってくれるというエリート養成コースなのだそうです。
それに比べると Université Claude Bernard Lyon 1は入るのが楽なんだそうです。

若手研究者のJean-Philippe Perrillatさんに高圧実験装置を
案内していただきました。物理学グループの建物と地球科学の建物と
行ったり来たり。いろんなグループの人たちと装置をシェアしているから、
分析も実験もいろいろできるんだと言うことでした。

講習会をやるの?と聞いたら、みんな装置のことを知っているから必要ないと。
使い方の練習は授業でやるそうですが、研究の目的を決め、そのために
どんな装置を使うのが効果的かを調べ、使い方を教わってデータを取る。

Jean-Philippeさん、石英-コース石の相転移のカイネティクスの実験から
変成岩の上昇を論ずる研究や、蛇紋石の脱水カイネティクスの研究を経て、
ENRFという放射光X線施設の研究者となり、大学のスタッフになられたとか。
組み上げ中の装置もたくさんありました。地質がわかり、かつ、目的に応じた
装置開発のアイデアが出せる人です。うーむ。


最近どんなことをしているか聞かせてよ

先週の水曜日にリヨンに来て、Brunoさんの部屋におじゃましたら、
さっそくこう聞かれました。さあ、サイエンティフィックな話を始めようよ、ということです。

このあいさつに表われるように、こちらには科学を楽しむ雰囲気があります。
自分の出した成果、新しい発見について話し、議論する。面白いでしょ、という
おだやかな感じで話をしてくれます。データの扱いやロジックに厳密さがあるのは当然で
気負いはありません。まだ十分に理解できていないところも、どう認識していけばいいか、
いろんな情報を引き出しながら、今分かっていることはここまでだね、とスパリ。

論文に書くようなことをさらさらと日常的に話しているようですね。
たぶん、何度も同じような話をするのかも。そうやって日頃からアイデアを醸成して、
情報交換しているうちにコミュニティーとしての認識もできていくんでしょう。

今はイリノイ大学のJay BassさんがPhDの学生さん(Jin)と実験のために来られています。
バカンスシーズンということもありますが、オフィスにいる間、ずっと科学に浸っている感じ。
サイエンスを仕事にしている、きれいな空気が流れています。

ふとBrunoさんの机を見ると、日本語の論文が。
液体の金属の中でのNi、Vなどいろんな元素の拡散速度を決めた実験のようです。
日本になじみのある方とは言え、日本語で書かれている論文からもさらりと情報をとる
姿勢に感銘を受けました。私がフランス語の論文を読むよりも壁が高いように思うのですが。

すべてに力みがなく、さらりとこなしていくのが、本当に印象的です。

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