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石ってすごいね

ある地球科学者のひとりごと。なぞかけ、なぞときの日々。

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はつゆめ

新年に浮かんだあるフレーズに、ココロとらわれています。

「100年かかる世代を越えた実験」

地球の営みは非常にゆっくりとしています。
私たち地球科学者は、ゆっくりと進む現象を定量的に理解する必要があります。

時間をかけないと、このグラフのここにプロットは打てないよなあ。
だけど、人類のために、科学者はここに点を打たないといけない!
そんなテーマ、見つけられそうな気がします。

100年後に開封して結果を見なければ真実は解らない。
そんな実験を遂行するためには、どんな準備が必要か?

装置の材料、装置の制御、データの記録、そして解釈。
物質、技術だけでなく、人材が重要なことはすぐに分かります。
孫の世代へとデータを引き継ぐ、そんなグループを維持するために
まずはモチベーションの形成が必要ですね。

思えば、私たちの受けてきた教育は、そういった理念に基づいて
用意されたものであった気がします。今では、人を点数化することが
目的の半分以上を占めるようになってしまいましたが。

爆弾が落ちてきて実験をおじゃんにしてしまうようなことがあってはいけません。
この実験のためには安定した社会を求めていく必要があります。

人類が開封を心待ちにするようなタイムカプセル。
みんなで一緒に考えませんか?
この100年を無駄に過ごしてはいけません。
いますぐ動きだしましょう!
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ドイツで迎える新年

日本から8時間後れて新年を迎えました。

12月31日、日が沈み、ぽつりぽつりと花火が上がる音が聞こえてきました。
ときおり大きな花火が上がり、年の終わりを夜空を眺めて楽しむのかなと思いつつ、
発表用の図を作っていました。

ところが、深夜12時を過ぎた頃から、爆裂音が途切れなくなりました。
窓から入ってくる光があまりに近いので外を眺めたところ、バイロイトの街中で
花火が上がっているのです(宿は少し高いところにあるので見渡せるのです)。
犯人は市民。道路やベランダから歓声と共に光が空へ向かうのが見えます。
それから1時前まで、ひっきりなしに花火が上がっていました。

いったいどれだけの花火があがったのでしょう。どこの街でもこうなのでしょうか。
空から眺めたら楽しいでしょうね。月や星が輝く澄んだお天気でした。
時間が来るとぱたりと音がしなくなるのも、ヨーロッパらしいすっきりとした感じです。

一夜明けて、7時前に起床。
まだ暗く、昨晩の続きの仕事をしているうちに
8時頃になって明るくなってきました。

ブラインドを上げ、空の端が朱に染まるのを見たとき
急に、「年が明けたんだな」という実感が湧いてきました。
あらためて自分を知ったような思いでした。

時計の針が12時を回ったから新年が来た、とか、
みんなが花火を上げるから新年だ、とか、
紅白歌合戦が終わったら、さあ新年だ、とか
そんなふうに思えないんですね。

今年も、こんな風に、人がどうとかはできるだけ気にせず、
自然と対話しながら、真理を追究していけたら、
と思っております。

本年もどうぞよろしくお願いいたします。

2012年を振り返って

2012年最後の日。
すこしゆったりと1年を振り返ってみましょう。

ドイツで年越しを迎えていることに象徴されるように
今年はいろんなところへ出かけた1年でした。

3月から5月までの2ヶ月間のフランス滞在。
科学についてゆっくりと考える時間になりました。
国内でもいろいろな分野の研究者を訪問しました。
さらに2度の四国調査、岩手の巡検参加と調査。
学会はいつもの地球惑星連合大会と地質学会だけでしたが、
成果の発表は来年に取っておきましょう。
そして、ドイツ、バイロイトにて実験研究の世界に触れ、
また視野を広げる経験をさせてもらっています。

岩石学、地震波解析を含む物理探査、水文地形学の
融合研究プロジェクトが科研費の基盤研究(B)に採択され、
研究者としてこれまでにない責任を感じました。
未知の分野へ踏み込む第一歩となる1年でした。

学会の委員を担当したのはいい経験になりました。
あと査読を少し引き受けるようにして勉強になりました。
気持ちを込めてポジティブに改善案を指摘しましたよ。

研究室として、初めての修士学生を世に送り出しました。
論文の詰めの作業は非常に緊張感があって楽しかった。
それぞれ信頼され活躍していると風のうわさに聞いています。

家庭でも大きな出来事がありました。
春は娘の小学校入学。親としても子供としても新しい世界です。
そして、10月には新しい家族がやってきてくれました。
私があまり家にいられない状況の中、家族はそれぞれ成長し、
支えてくれました。

例年になくいろんな重要なことがあった1年でしたが、
振り返ってみると、時間は同じように過ぎるのだなあという
ゆるーい感覚が残っています。よい1年でした。

こうして振り返りつつ、
あらためて、前に進んでいこう、ということを考えます。
出版物を世に出す、という私の課題はますます浮き彫りになっていて、
時間と心にスペースを作り出さないといけません。

そのためにも(?)、科学・研究をとりまくネガティブな空気に
もう少し鈍感になりたいですね(いろいろあります)。

みなさま1年間、お世話になりました。
大変感謝しております。
特に私の乱文を読んでくださった方々、
お付き合いありがとうございます。

みなに幸あれ!

石を見て石を見ず

自然、つまり地球を知るには、自然の中に入るのが一番良い。

そう思っています。

実験室の中にいても、大きな自然の中にいる感覚があるとアイデアが違ってくるでしょう。
BGIの高圧実験室では1面の大きな窓からキャンパスの木々が見えます。
田舎町にあるBGIで世界に先んずる研究成果が次々と出てくるのは、
そんなところにも理由があるのだろうと思います。

自然の中に問いがあり、答えがある。

私はそう思って、野外へ出かけていきます。
そして、地球深部の現象を知るために石を見る。

近頃は、
石の中を通過していった、水や二酸化炭素やメタンや水素や酸素などの
「流体」と呼ばれる物質の痕跡を見つけようとしています。
今はいなくなった流体がどのように石の隙間を駆け巡っていたのか。
ここは流体が石を押し広げた場所ではないか。

そうすると、石を見ているようで石を見ていないことに気づきます。
顕微鏡を覗いて、鉱物を見ているんだけど、意識の焦点はそこにはない。
そんな感じです。

見えないものを捉えるのはなかなか難しいのですが、
自然の中で事実を確認する重要性を考えると、
努力と工夫をする価値は十分にあると思います。

いつか統合的なイメージを提示したい、と思いながら
日々、見えないものを観る努力をしています。

Press!

BGI (Bayerisches Geoinstitut)へやってきた目的は何かというと、
表題の通り「Press」なのです。

ここBGIは加圧装置の博物館。
大学から数10キロにあるVoggenzeitezというメーカーと連携して
新しい装置を開発、作成して実験に取り組んでいます。
時代と共に技術が進化してきた様子をこの研究所では
目の当たりにすることができるのです。










写真は、下部マントル条件の圧力を出しながら
試料を自在に変形できるという6軸の加圧装置。
私が使わせていただいているのは、こんな大がかりな
ものではありません。










このピストンシリンダー装置です。

比較的大きな試料が入れられるのがメリット。
上の装置に比べれば、さほど高圧は出せませんが、
私の目的にはひとまず十分です。深さ70kmくらい。








そのカプセル。左は加圧前(直径5mm)。右は加圧後。
中には石の欠片と秘密の粉が入っています。
右側、中はどうなっているのでしょう。
実は怖くてまだ開けていません。

私一人でいきなり実験ができるわけはありません。









サポートに付いてくれたPhDの学生さん、Feiくん。
もうすぐ有名人になるかもしれません。

実験というものを体験できるだけでも
私にとっては勉強になります。

いろいろと中の状態を変えながら、
ひたすらPressしていきたいと思います。

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