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石ってすごいね

ある地球科学者のひとりごと。なぞかけ、なぞときの日々。

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BGIのビジョン

テクニカルな面でBGIの軸となっているのは、高温・高圧条件での実験と、物質の状態解析のための分析です。

ピストンシリンダー、マルチアンビル、D-DIA、六軸型マルチアンビルといった大型加圧装置、
レーザー加熱装置を備えたダイアモンドアンビルセル、水熱実験装置。

EBSDとEDXを備えたSEM, EPMA、そしてTEMといった電子を用いる分析装置群。
種々のX線回折装置(5体はあるでしょうか)。γ線を用いるMossbauer分光計。
紫外から遠赤外線まで吸光度が測定できるFT-IR、様々なレーザーを備えたRaman分光装置。
物質の弾性的な性質を解析するBrillouin散乱装置。
そして、原子を分別するLA-ICP質量分析計。

2つの技術が高いレベルでバランスしています。
これらの装置群が一つのグループとして管理・運営されているだけでなく、
世界中の研究者に対してオープンにされているところが大きな特徴だと思います。

それぞれの装置に管理者、テクニシャンが付いていて、
技術、応用面で常に新しいものを追究する姿勢があります。
それでいて、すべての研究者が目的応じて利用できる体制になっています。

技術や装置を支えるテクニシャンがしっかりと配備されている点にも感心します。
試料の加工、実験バーツの作成、電気系統の管理・開発、ネットワークおよびプログラム作成、化学実験。
スタッフの3分の1近くがテクニシャンだということです。

BGIは1980年代に立ち上がった若い研究所です。
こういった組織を作り上げた方々は優れたビジョンを持っておられたのだと思います。

この研究者メンバーの中に日本人のスタッフが2月から新たに加わることになっています。
すでに先入りしておられるその方に伺うと、ヒアリングの時にBGIの人事方針の一つとして
次のようなことを言われたそうです。

わきあいあいと、笑って、一緒に研究をしていくのが、私たちのスタイル。
決してクローズドにしないで欲しい。

年に一度の外部審査のために作成したポスターが廊下一面に張り出されています。
共同研究者の名前を見るとありとあらゆる組み合わせがあることに驚きます。
学生さん達はいろんなスタッフと連携でき、組み合わせの数だけ研究テーマが生まれる。

組織のビジョン、それにかなった人選、そして人の和。
BGIが世界に先んじて、新たな地球観を提示し続けられる秘密は
ここにあるのだと思います。
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木箱の中

この箱の中にもBGIを特徴付ける装置が入っています。










中はこんな風になっています。










Mössbauer分光装置です。


またまた図々しくもCatharine McCammonさんに頼み込んで、
試料を一つ分析していただけることになりました!

お忙しい中、快くOKしてくださって、ぱっぱっ、ぱっぱっと
試料準備や分析位置の決定までしていただいて
きれいなスペクトルを得ることができました。


顕微鏡下で分析ポイントを吟味されているCatharineさん。








すべての作業が丁寧で手際が良い。
分析点に円のマークを描くのも定規を使われます。
全然力みがなくて、一緒に居ると心地よくなってきます。
全体を見通しながら、一つ一つの作業をおろそかにしない。
実直さがものすごく伝わってきます。

分析に使っているのはγ線。
何気なく、箱を開けたまま試料を動かしておられましたが、
ビーム調整の時にはぴりっとすごみを感じました。。。
さすがに緊張しますよね。

本当にお忙しい中、時間を割いて取っていただいた
この貴重なデータ、しっかり生かしたいと思います。

暗闇と静寂の中で

天然の蛇紋岩化を化学組成から理解しようとしたときに、
蛇紋石の中の3価のFeがどのように存在しているか、
そもそもどの程度はいっているのか、が問題になってきます。
価数に敏感な分析手法に興味を持っていました。

ここBGIでは高圧実験だけではなく、深部での元素、電子の化学的状態を
解析する高い技術が集まっています。いろいろと話を伺って、TEMを使った
EELS測定なら可能性があるのではないか、ということで、TEM管理者の
宮島さんに無理を言って試していただきました。

まずはAtgを含む試料をガラスで挟んで粉々にして直径2ミリほどの金網の上に
ぱらぱらと巻きます。その試料を実体顕微鏡下でフォルダーにセットして、









装置の中の、強い電子線が通る位置にセットします。
装置は20年選手。でもきれい。











観察のときは部屋を真っ暗にします。









きれいなAtgの超構造が見えました(回折像)。
写真撮影時は話をしてはいけません。
ナノメートルスケールなので、少しの振動で像が動くのです。

そして、EELS測定。
試料を透過してくる電子のうち原子内の電子を励起して
エネルギーを失ったものを磁場で分光してスペクトルを取ります。

TEMの真下に分光装置と検出器がありますが、
人間の発する静電気が影響してしまうというデリケートな分析。
私は部屋のはしっこに立って、手際よく装置をコントロールされる
宮島さんを眺めていました。

暗闇の中に浮かび上がってくるEELSスペクトル。
コンピュータはマッキントッシュ OS8.6です。







これはまだ調整中です。

うまくいきますように!

桂さん

BGIで私を受け入れくださったのは桂智男さん。
学部時代に同じ研究室に所属していた10年上の先輩です。
卒業研究で同じフィールドを歩いたこともあり、桂さんの影を追いながら
その姿をなかなか捉えられずに歩いてきた感があります。
今回、その距離を縮めるべく(?)、バイロイトにお邪魔しました。

実験屋とフィールド屋。
いわば料理人とお客のような関係。
素人の私を厨房に入れるにあたって
心構えから厳しく指導をしてくださいました。

そのほか研究者として人生をどう歩むべきかについて
たくさんの助言と励ましをいただきました。
何年かに1本はNatureかScienceに論文を載せないとダメだよね。
ずしりと重い言葉。

科学者であるために(しかも世界でトップクラスであるために)
必要なものは何かを考え、行動していく。
純粋であることの力強さを改めて実感させていただきました。

またそのレベルのテーマでご一緒できるよう研究を進め、
次なる計画を練っていきたいと思います。

<訂正>
桂さんに表現の不正確なところを指摘していただきました。

「NatureかScienceに論文を載せないとダメ」ではなく、
「NatureかScienceに論文が載るようなテーマを追求していかないとダメ」という
意識で研究をされている、とのことで、その結果として実際にかなりの頻度で
実現されているので、桂さんの言葉には重みがあります。
先出のFeiくんの研究成果がNatureに掲載されています。 ⇒Feiくん論文

桂さん、コメントありがとうございました。

Iker

San Iker Casillas

超人的な自制心の持ち主。
自分のやるべきことを黙々とやり続ける人。

彼の姿を見ると元気になります。

http://www.youtube.com/watch?feature=player_embedded&v=eEzfFtLjngg#!

知らない人はぜひ。

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