でかいのには、わけがある
2013.01.24 |Category …研究のこと
こちらに来てから水の話ばかりしています。
鉱物の中の水、カプセルの中の水、そして地球の中の水。
量はどのくらいか、どこに、どんな形で入っているのか。
まだまだ解けていない問題はたくさんあるようです。
鉱物の中の水の量と言えば、FT-IR測定。
重さにして百万分の一の量の水の含有量もはかることのできる装置です。
この装置を使って、かんらん石の中の水の溶解度と水のフガシティの相関関係を
提示した研究は、実はBGIで行なわれたものです。1990年代半ばのこと。
その歴史的装置を使って分析をさせていただいています。

FT-IRの管理者であり、上記の論文の著者の一人であるHans Kepplerさんに
分光器の中を見せていただく機会がありました。

FT-IRは、干渉により増幅される光の波長を
ミラーを振動させることによって変化させて、さまざまな光を作り出しています。
その光の振動数の分解能は、ミラーの振幅に反比例するのだそうです。
ミラーを大きく振るほど、光の振動数を細かく変化させることができます。
すなわち、分解能を上げることができるのです。
写真の左右方向にミラーが振動するのですが、その方向に箱が伸びています。
長さ2mくらいでしょうか。この箱を使うと、赤外光だけでなく紫外光の波長まで
作り出すことができるそうです。
その高原として使われているキセノンランプは日本製。
「浜松フォトニクス」と書かれていました。
モンペリエでも浜松フォトニクスの技術が愛されていました。
世界のプロ達が愛用する品物を作り続けているメーカー。
どんな人たちが居るのでしょうね。
ちなみに、近頃BGIでは入札問題でもめ事が起こっているようです。
訴えを起こしているのはなんと日本のメーカーなのだそうです。
日本らしく、交渉ではなく技術で勝負して欲しいなあ。
鉱物の中の水、カプセルの中の水、そして地球の中の水。
量はどのくらいか、どこに、どんな形で入っているのか。
まだまだ解けていない問題はたくさんあるようです。
鉱物の中の水の量と言えば、FT-IR測定。
重さにして百万分の一の量の水の含有量もはかることのできる装置です。
この装置を使って、かんらん石の中の水の溶解度と水のフガシティの相関関係を
提示した研究は、実はBGIで行なわれたものです。1990年代半ばのこと。
その歴史的装置を使って分析をさせていただいています。
FT-IRの管理者であり、上記の論文の著者の一人であるHans Kepplerさんに
分光器の中を見せていただく機会がありました。
FT-IRは、干渉により増幅される光の波長を
ミラーを振動させることによって変化させて、さまざまな光を作り出しています。
その光の振動数の分解能は、ミラーの振幅に反比例するのだそうです。
ミラーを大きく振るほど、光の振動数を細かく変化させることができます。
すなわち、分解能を上げることができるのです。
写真の左右方向にミラーが振動するのですが、その方向に箱が伸びています。
長さ2mくらいでしょうか。この箱を使うと、赤外光だけでなく紫外光の波長まで
作り出すことができるそうです。
その高原として使われているキセノンランプは日本製。
「浜松フォトニクス」と書かれていました。
モンペリエでも浜松フォトニクスの技術が愛されていました。
世界のプロ達が愛用する品物を作り続けているメーカー。
どんな人たちが居るのでしょうね。
ちなみに、近頃BGIでは入札問題でもめ事が起こっているようです。
訴えを起こしているのはなんと日本のメーカーなのだそうです。
日本らしく、交渉ではなく技術で勝負して欲しいなあ。
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色を失う
2013.01.19 |Category …研究のこと
ピストンシリンダーの中に入れた石がどうなっているか、観察を続けています。
近頃は、しみ出してくる水をそのまま外に流すような焼き方をしています。
焼き肉であぶらがじゅうじゅうと流れ出してくるようなイメージです(?)。
カプセルを取り出すと、こんな感じになっていました。

左が使用前のPtシリンダー、右が実験後です。
縮んでますね。
そして、開封すると・・・。

四角いサンプルがそのまま出てきました!
少し樽状になっていますか。
はじめに驚いたのは石が色を失っていたことです。
美しいオリーブグリーンを想像していたのですが、まっ白でした。
なにしろ元々はこんな色。

磁鉄鉱はところどころに残っています。
石を黒くみせていたのは、ブルース石だったようです。
表面を研磨するために実体鏡をのぞくと、
組織が美しくってつい手が止まってしまいます。
その後のSEM観察で想像もしてなかった組織を目の前にして
私のあたまの中も真っ白になってしまったのですが・・・。
近頃は、しみ出してくる水をそのまま外に流すような焼き方をしています。
焼き肉であぶらがじゅうじゅうと流れ出してくるようなイメージです(?)。
カプセルを取り出すと、こんな感じになっていました。
左が使用前のPtシリンダー、右が実験後です。
縮んでますね。
そして、開封すると・・・。
四角いサンプルがそのまま出てきました!
少し樽状になっていますか。
はじめに驚いたのは石が色を失っていたことです。
美しいオリーブグリーンを想像していたのですが、まっ白でした。
なにしろ元々はこんな色。
磁鉄鉱はところどころに残っています。
石を黒くみせていたのは、ブルース石だったようです。
表面を研磨するために実体鏡をのぞくと、
組織が美しくってつい手が止まってしまいます。
その後のSEM観察で想像もしてなかった組織を目の前にして
私のあたまの中も真っ白になってしまったのですが・・・。
沈み込み帯の生水
2013.01.09 |Category …研究のこと
沈み込み帯の温度圧力条件に40時間ほどいたカプセルを開封しました。
カミソリでそろりそろりとプラチナを削っていきます。
プラチナがもったいないからではなくて
(実際には再利用のためこまかーい粉まで回収しますが)
中を乱したくないためです。
そして、水が中に溜まっているかどうか・・・。
わずかなサインを見逃したくないのです。
そろーり、そろーり。 ん?
カミソリの刃に吸い付くものが・・・。
ゆびで触れると、わずかにすべるような・・・。
水です。にじみだしていました。
これ、三波川帯の蛇紋石が分解してできた水なのです。
ということは、沈み込み帯で鉱物にトラップされていた水。
つまり、
沈 み 込 み 帯 の 水
触ってしまいました。
実験の目的は水では無かったので開封時は感動どころではなかったのですが、
よく考えると、何千万年も前に沈み込み深部に存在していた水に触れていたわけです。
この水が、深部の地震を起こしたり、マントルを溶かしてマグマを作り、
火山の元になったり、はたまた・・・と思うと、こいつか!という感じです。
今はもうバイロイトの乾燥した空気の中に蒸発していってしまいました。
つぎはなめてみようかな。
実感って大事です(JOJOにそんなキャラいたなあ)。
わたしはただ浸ってしまいます。
フィールド屋は味わってしまいますが、
実験屋さんはこれをどう料理しよう、って考えるんでしょうね。
そして、水のその場観察を実現してしまう。
すごいなって思います。
カミソリでそろりそろりとプラチナを削っていきます。
プラチナがもったいないからではなくて
(実際には再利用のためこまかーい粉まで回収しますが)
中を乱したくないためです。
そして、水が中に溜まっているかどうか・・・。
わずかなサインを見逃したくないのです。
そろーり、そろーり。 ん?
カミソリの刃に吸い付くものが・・・。
ゆびで触れると、わずかにすべるような・・・。
水です。にじみだしていました。
これ、三波川帯の蛇紋石が分解してできた水なのです。
ということは、沈み込み帯で鉱物にトラップされていた水。
つまり、
沈 み 込 み 帯 の 水
触ってしまいました。
実験の目的は水では無かったので開封時は感動どころではなかったのですが、
よく考えると、何千万年も前に沈み込み深部に存在していた水に触れていたわけです。
この水が、深部の地震を起こしたり、マントルを溶かしてマグマを作り、
火山の元になったり、はたまた・・・と思うと、こいつか!という感じです。
今はもうバイロイトの乾燥した空気の中に蒸発していってしまいました。
つぎはなめてみようかな。
実感って大事です(JOJOにそんなキャラいたなあ)。
わたしはただ浸ってしまいます。
フィールド屋は味わってしまいますが、
実験屋さんはこれをどう料理しよう、って考えるんでしょうね。
そして、水のその場観察を実現してしまう。
すごいなって思います。
Press!
2012.12.27 |Category …研究のこと
BGI (Bayerisches Geoinstitut)へやってきた目的は何かというと、
表題の通り「Press」なのです。
ここBGIは加圧装置の博物館。
大学から数10キロにあるVoggenzeitezというメーカーと連携して
新しい装置を開発、作成して実験に取り組んでいます。
時代と共に技術が進化してきた様子をこの研究所では
目の当たりにすることができるのです。

写真は、下部マントル条件の圧力を出しながら
試料を自在に変形できるという6軸の加圧装置。
私が使わせていただいているのは、こんな大がかりな
ものではありません。

このピストンシリンダー装置です。
比較的大きな試料が入れられるのがメリット。
上の装置に比べれば、さほど高圧は出せませんが、
私の目的にはひとまず十分です。深さ70kmくらい。

そのカプセル。左は加圧前(直径5mm)。右は加圧後。
中には石の欠片と秘密の粉が入っています。
右側、中はどうなっているのでしょう。
実は怖くてまだ開けていません。
私一人でいきなり実験ができるわけはありません。

サポートに付いてくれたPhDの学生さん、Feiくん。
もうすぐ有名人になるかもしれません。
実験というものを体験できるだけでも
私にとっては勉強になります。
いろいろと中の状態を変えながら、
ひたすらPressしていきたいと思います。
表題の通り「Press」なのです。
ここBGIは加圧装置の博物館。
大学から数10キロにあるVoggenzeitezというメーカーと連携して
新しい装置を開発、作成して実験に取り組んでいます。
時代と共に技術が進化してきた様子をこの研究所では
目の当たりにすることができるのです。
写真は、下部マントル条件の圧力を出しながら
試料を自在に変形できるという6軸の加圧装置。
私が使わせていただいているのは、こんな大がかりな
ものではありません。
このピストンシリンダー装置です。
比較的大きな試料が入れられるのがメリット。
上の装置に比べれば、さほど高圧は出せませんが、
私の目的にはひとまず十分です。深さ70kmくらい。
そのカプセル。左は加圧前(直径5mm)。右は加圧後。
中には石の欠片と秘密の粉が入っています。
右側、中はどうなっているのでしょう。
実は怖くてまだ開けていません。
私一人でいきなり実験ができるわけはありません。
サポートに付いてくれたPhDの学生さん、Feiくん。
もうすぐ有名人になるかもしれません。
実験というものを体験できるだけでも
私にとっては勉強になります。
いろいろと中の状態を変えながら、
ひたすらPressしていきたいと思います。
分別
2012.12.22 |Category …研究のこと
「分別」
みなさん、この漢字をどう読みますか。
日常的にはゴミの分別なんていいますね。
「分別」は地球の化学的な構造を考える上でとても重要な言葉で
地球科学では基本用語となっているため、岩石学の講義のわりと
早い段階で教わります。その読みは「ぶんべつ」です。
(ちなみにゴミの分別とは「べ」のあたりのイントネーションが
若干異なると思うのですが、専門の方、いかがでしょう)
なかなか理解しにくい概念で、岩石学の洗礼の一つかもしれません。
英語では fractionation。どんな概念かイメージできますか?
この言葉を見ると、昔、ある女子学生が論文の和訳をまとめたレジメを
読むのに、「ふんべつ」「ふんべつ」と連呼していたのを思い出します。
ユニバーサルな知識と教養にあふれる彼女が「ふんべつ」と読むのを聞くと、
誤っているはずなのに知的な香りがして、『地球科学では「ぶんべつ」と
読むんだよ』と指摘できませんでした(私だけでなく先生も!)
地球科学には独特の言葉がわりとあります。
この読みが読めるようになったら、地球科学の仲間入りだね。
この漢字がすらすら書けるようになったら、この世界に入ってきたね。
気づかないうちに、ちょっと常識とはずれた言葉を使っているかも。
こういう「言葉」をもっと世に広げていく努力が必要かな、
なんて思います。クールにね。
追伸:
日本で「ゴミの分別」ってことが広く言われ始めた頃のお話です。
そのころは地域によって分別があったりなかったり、まちまちでした。
みなさん、この漢字をどう読みますか。
日常的にはゴミの分別なんていいますね。
「分別」は地球の化学的な構造を考える上でとても重要な言葉で
地球科学では基本用語となっているため、岩石学の講義のわりと
早い段階で教わります。その読みは「ぶんべつ」です。
(ちなみにゴミの分別とは「べ」のあたりのイントネーションが
若干異なると思うのですが、専門の方、いかがでしょう)
なかなか理解しにくい概念で、岩石学の洗礼の一つかもしれません。
英語では fractionation。どんな概念かイメージできますか?
この言葉を見ると、昔、ある女子学生が論文の和訳をまとめたレジメを
読むのに、「ふんべつ」「ふんべつ」と連呼していたのを思い出します。
ユニバーサルな知識と教養にあふれる彼女が「ふんべつ」と読むのを聞くと、
誤っているはずなのに知的な香りがして、『地球科学では「ぶんべつ」と
読むんだよ』と指摘できませんでした(私だけでなく先生も!)
地球科学には独特の言葉がわりとあります。
この読みが読めるようになったら、地球科学の仲間入りだね。
この漢字がすらすら書けるようになったら、この世界に入ってきたね。
気づかないうちに、ちょっと常識とはずれた言葉を使っているかも。
こういう「言葉」をもっと世に広げていく努力が必要かな、
なんて思います。クールにね。
追伸:
日本で「ゴミの分別」ってことが広く言われ始めた頃のお話です。
そのころは地域によって分別があったりなかったり、まちまちでした。