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石ってすごいね

ある地球科学者のひとりごと。なぞかけ、なぞときの日々。

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立体視

二枚の撮影点の異なる写真などの2次元像を並べて、
右と左の眼からそれぞれの情報をとり、
頭の中で像を重ねると、突然に立体的に見えてきます。

実際に写真を並べて裸眼で立体視をしようとすると、結構難しい。
頭の中で像を重ねる、という作業がなかなかできません。
普段やっていないことは簡単にはできないんですね。
私たちの脳は融通のきかないところがあります。

地球内部の物理学的構造、物質構造について、いろんなデータが
あります。地球という一つの対象をいろんな側面から見た結果です。
いずれも3次元のイメージを想起するもので、目を見張るほど美しいものです。

様々な分野の手法によって描き出されたこれらの構造をより豊かに
理解していこうという視点で、総合的なプロジェクトが進められています。
複数の情報を並べて、ワンランク上のイメージを引き出してくる。
まるで立体視のようです。

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▼ つづきはこちら

ひくてあまた

このごろ発表要旨作成(そのためのデータの見直しなど)、申請書作成など書き物を抱えていて、
ブログを更新ができず、連合大会での報告が中途半端で止まったままでした。

さて、連合大会最終日のこと。

海洋リソスフェア&アセノスフェア?、わがホームフィールドの変形岩と変成岩など、
岩石学関係のセッションがありました。並行して進んでいたので、私はいったりきたり。

アセノスフェア問題でおおとりにKaratoさん登場(聴衆があふれました)。
その前座として元FSOの針金さんがプチスポゼノリスの話をしてくれました。
(詳しくは、論文:EPSL, 302, 194-202をご覧ください。)

発表が終わったとたんに、「そうじゃないと思う」「違うと思う」というNコメント連発。
しかし岩石が示している構造は実体を持つ存在であり、それに合ったアセノスフェア像を
考えないといけないはず。観測や推測と違うからといって観察事実は揺らぎません。
(実際には「最新の観測と合っている」という話だったのですが・・・)

午後はポスターセッション。
学生のポスターに学生がわんさか集まっているのが印象的でした。
教員がポスターに近づきにくいくらいの混みこみ状態。
学生が元気ってことは、岩石学が魅力的なトピックを提示できている
ってことかなと思います。

その1枚に服部くんのポスターがあったわけなんですが、
ここにもたくさんの人が訪れてくれました。
「鉱物のモード組成を測りました」っていうものすごーく地味な内容で
発表者のモチベーションはものすごーく低かったものですから、意外。
きつねにつままれたような顔でポスターの前に立ってたのがおかしかった。

世の中わからんねー、と思っていたのですが、どうもタイトルにあった
「Micro-XRF」という言葉が人を引き付けたようです。
そして、何人もの方が「うちに入っているし、空いてるから使ってよ」と
声をかけてくださいました。ありがたいことです。
人間関係で悩みたくないので、サイコロ振って決めましょうか。
学生は「近くがいい」とのこと。ドライです。


日常に戻ると、科学をおもいっきり語れる学会って
すばらしいなあと改めて思います。幸せな1週間でした。

地震研究あれこれ

4日間いろんなセッションをめぐって、おなかいっぱいになりつつあります。

しかし、研究の最前線で何が問題になっているか、
どういう形でブレークスルーが起こるか、そのアイデアが聞けるので面白い。

地震へのアプローチはさまざまあって、

・すべり現象や破断現象の物理学的理解もしくは理論的記述
・実験による岩石や鉱物の物理量の測定
・地震、構造、地殻変動、そして重要な要素である熱に関する観測の高精度化
・その場観察への挑戦、新しい挙動や関係性の発見
・断層周辺の物質科学によるすべりの直接的な理解、熱・物質移動の理解

それぞれ、ずんと進んでいるようです。

中でも、ちきゅうによる断層掘削試料や天然試料を使った発熱現象や
脱水現象の定量的解析は目を見張るものがありました。発表者も元気。
より深部のものを扱っている私たちも負けていられないなと思います。

あと2日。岩石学分野の発表もぼちぼち増えてきます。

<追伸>
M2野口くんのポスター発表がありました。
英語で作ったので外国の方々も興味を持ってくれたようです。
はたして、どんな議論があったのか?

熱意

幕張に来ています。
地球惑星連合大会はいろんな分野のお話が聞けるのが良いところ。
今年は異分野の地震、断層に関係するセッションを回ろうと決めています。

いろいろと刺激になる話を聞きましたが、「断層」のセッションで
あまりに情熱的な研究プロジェクトのお話を聞いて衝撃を受けました。

地下の断層の直近(約10m)に地震計を置いて、地震が起こるのを
待ち構えているというのです。しかも、水をわざわざ注入して、
地震が起こりやすくなっているところに。

もちろん、地震を起こそうと思って水を注入しているのではありません。
地熱を利用するために地中へ水を注いでいる箇所では、流体圧が
上がるために地震を誘発してしまいます。そんな地震現象を
「直近で」詳しく解析しよう、というわけです。

「地震現象を解き明かしてやろう」というモチベーションから生まれた発想のようです。
この情熱、ふつうじゃありません。

最前線の科学者はあまりに純粋です。
こうあるべきだなあ、と思います。

知る勇気

真実を知るのは、ときに恐ろしく感じることがあります。
試験の結果はどうなっているだろう?
自分はこれからどれほどのことができるのだろう?

「全てが解った!」と豪語する科学者がいます。
知への恐怖感がないように見えて不思議でもあり、
またうらやましくもあります(自信のほどには驚かされます)。

私はたぶん小心者です。
明らかにするという営みに伴う責任や、
新しい知識が切り開く新しい世界へ、
わずかな恐怖を感じてしまい、
正直にいえば、まごつくことすらあります。

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